ケア・治療

歯石取りは危険!?猫に歯磨きは必要ない?

無麻酔の歯石除去の危険性と効果

猫の歯磨きや歯石取りって必要なんでしょうか。

我が家の白猫さんに関して、「猫なんて歯磨きできないんだからしなくていい」と思っていました。

そんな飼い主のせいで、いつの間にか白猫さんは軽度の歯肉炎になっていました・・

歯磨きしないと歯垢や歯石がたまるのは当たり前ですよね。

白猫さんは歯肉炎になってしまいましたが、歯肉炎(歯周病)などの口腔トラブルの予防や悪化を回避するために、猫の歯磨きや歯石取りをします。

でも、猫の口腔内トラブルは「歯を磨けばいい」「歯石を取ればいい」ということではありません。

歯石取りについて無麻酔は危険と言われたりしますよね。

ここでは猫の歯磨きって必要なの?ってことから、無麻酔の歯石取りの危険性についてまとめています。

猫の歯垢や歯石に歯磨きは必要ないのか

歯垢が付く食事をしていれば、口臭、歯周病、歯肉炎、口内炎などの原因となるので、猫の歯磨きは必要です。

歯垢の細菌は、猫の口腔トラブルを招いてしまいます。

厳密には「歯垢の付く食事をしている猫」に歯磨きが必要です。

家で飼われている猫は、キャットフードや手作り食といった、歯垢がつきやすい食事です。

ドライフードよりもウエットフード(缶詰やパウチ)は歯垢や歯石がつきやすいです。

我が家の白猫さんは今でこそ歯のケアをしていますが、それまでは約6年間一切歯磨きをしていませんでした。

ほぼドライフードのみを約6年間食べていて、何度か口腔内を見たことがあるのですがやや歯石があった程度。

ところが手作り食にして7か月程度たった時に、歯肉炎になったことをきっかけに口腔内を見ると、6年間で付着した歯石の倍以上になっていました。

ただ、「猫なんて歯磨きしないんだから必要ないでしょ」というのは、ある意味正しいことです。

本来の猫の姿を考えた時に、猫は自分で歯磨きなんてしません。

動物本来の姿を見ると歯磨きは必要ないし、野生の猫は獲物の肉や骨を食いちぎり歯垢を落とします。

家の猫は歯磨きが必要ですが、どんな食事をしているのかで歯磨きの必要性が大きく変わります。

猫の歯石取りは必要ない?

歯磨きは歯垢を除去して、歯石や歯周病などの病気を防ぐことができます。

しかし、歯石除去の必要性はどうなのでしょう。

猫の歯石除去の費用は安くても1万円~、高いと3万円以上します。

歯石除去の費用は安くないので、最低限に抑えるためにもケアが重要です。

口腔内に問題があるなら必要

すでに猫の口腔内の状態が悪かったり、緊急性があるなら歯石取りは必要です。

食べずらそうにしていたり、炎症が起きているとか。

また口腔内トラブルは腎臓や心臓に悪影響が出るので歯石取りなどの歯のケアは重要です。

今抱えている口腔内トラブルや腎臓病などがあって、歯石取りで改善されるならその必要性が高まります。

腎臓病はオメガ3も重要です。

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歯石は歯肉炎や歯周病の原因ではない

歯肉炎は歯周病菌が原因の一つですが、歯周病の原因が歯石であるというのは否定されています。

歯石は歯垢が石灰化されて硬くなっただけで、歯石自体に毒性はありません。

  • 歯石=歯垢が硬くなったもの
  • 歯垢=細菌の塊

猫の口内炎や歯周病は他の病気が原因の場合ありますが、歯垢が細菌を増殖させるので、歯周病などの口腔トラブル=歯石が原因ではないのです。

なので、歯石が付いているだけなら問題ありません。

猫の口腔トラブルは見た目だけでは判断できず、歯石を除去すれば炎症が改善するとも限りません。

歯肉炎や歯周病は細菌が原因なので、歯石取りをしても根本的に解決できないですからね。

ただ、歯石があると歯垢が付きやすいため、口腔内のケアはより一層重要になります。

歯石除去で歯垢が付きやすくなる

歯石取りをすることで歯に傷が付くリスクがあります。

歯に傷がつけば歯垢が付きやすくなってしまいます。

猫の歯石取りが必要ないとか意味がないわけではないですが、歯垢が付けばまた歯石が溜まります。

一度、歯石除去を受けたら二度と歯石が付かなくなるということはなく、動物病院でも「年に2回~3回」を推奨されていますよね。

歯石取りは歯周病や口内炎の根本的な解決にはならず、その後の除菌やケアが大切です。

健康な猫なら全身麻酔で歯石除去をします。

全身麻酔での歯石取りは、事前に検査してリスクを最小限にするので「危険性が低い」と言われます。

アメリカ麻酔学会によると、全身麻酔での健康な猫の死亡率は0.2%~0.3%ですが、何度も全身麻酔するのは猫の体の大きな負担になります。

無麻酔での歯石取りはリスク大?

健康体の猫であれば、全身麻酔で歯石を除去することができます。

高齢猫や腎臓病などの病気がある猫の場合、全身麻酔での歯石除去できません。

そうなると無麻酔の歯石除去が選択になると思いますが、無麻酔の歯石除去は危険と言われています。

無麻酔が危険と言われるのはそれだけ難しいということ。

それだけでなく無麻酔での歯石除去は「動物福祉」に反する行為です。

動く猫を押さえつけて歯石を取るのは、猫に大きな恐怖や苦痛を与えます。

いくら獣医さんの腕が良くても、猫が大人しくても無麻酔での歯石取りはオススメできないです。

下手すると猫のトラウマとなり、病院へ連れていくとパニックになったり、抱っこすること自体が一生できなくなることもあります。

何よりも無麻酔での歯石除去は、基本的に猫の歯の表面の歯石しか除去できません。

飼い主から見ると「猫の歯がきれいになった!」と感じますが、歯の表面だけ歯石を取っても何の意味もないのです。

全身麻酔よりも無麻酔での歯石除去のほうが歯に傷がつくリスクがあり、そうなると余計に歯垢がつきやすくなります。

猫の歯石を自分で除去できる?

「歯石が取れる!」と謳う商品はいくつかあります。

猫の歯磨きができない場合でも、口や歯を触れる状態なら歯石を取ることができるかもしれません。

歯石を取るだけでは口腔予防としては不十分ですが、とりあえず歯石を取りたいという方は、添加物を気にしないなら歯石に効果があるデンタルジェルを試してみてもいいかもしれません。

個人的には食後に肉を与えれば、それだけでも歯石予防につながるのでオススメです♪

スカローデンタルジェルで歯石が取れる?

スカローデンタルジェルは歯石取りで有名ですね。

>>動物用歯磨きジェル スカローデンタルジェル

スカロー(ホタテの貝殻で作った水酸化カルシウム)の強アルカリ性の特性を利用したデンタルケア用品です。

強アルカリ性なので、タンパク質である歯垢や歯石を分解し、歯石が取れるというもの。

旧タイプの青色のスカローデンタルジェルにはアルコール(エタノール)が含まれていましたが、ピンク色の無香料タイプは含まれていません。

アルコールが含まれていると、猫の口腔内に炎症があるとしみて痛がります。

スカローデンタルジェルは歯石を取りたいという飼い主さんが使っていますが、歯磨きをして1ヵ月~数ヵ月で歯石が取れたというのを聞きます。

我が家の白猫さんは1ヵ月程度しか使用していないので効果は不明です。

使用感は悪くなく、あまり嫌がることもなかったです。

スケーラーで歯石が取れる?

スケーラーとは、歯石を除去する専用器具です。

先端が細くてフックになっているので、歯石をカリカリして引っ掛けて除去します。

ペンチで歯石を引っ掛けて除去する方法もありますが、あまりオススメできません。

スケーラーもペンチも猫の歯や歯茎を傷つけてしまう恐れがあります。

無麻酔での歯石除去と変わらないし、危険性もあるので止めたほうがいいです。

猫の歯石除去や口内炎のまとめ

猫の歯磨きは、歯垢が付きやすい食事をしているなら必要です。

家で飼われている猫は、キャットフードを食べていることが多いので、歯磨きは必要かと思います。

特にウエットフードは歯垢が付きやすいのでケアを!

歯垢があると歯石になるので、歯磨きで歯垢を取りましょう。

ただ、ケアは歯磨きだけではないので、無理に歯磨きする必要はありません。

すでに歯石がついていても、全身麻酔にしても無麻酔にしても歯石取りが本当に必要なのかを考えましょう。

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